以前パックインジャーナルという番組で田岡俊次氏が「東西ドイツが統合した時の事を考えると南北朝鮮が統一したら経済はガタガタになる」と何度も繰り返してました。しかしこの言い方はあまり事の本質を表していないと思います。
南北が統一するという事は、日本が北朝鮮を二つ併合するようなものです。日本がおんぶしている韓国が更に北朝鮮をおんぶするわけで、その韓国もやがて化けの皮が剥がれて産業力は北朝鮮と大差ないことが明らかになる筈です。韓国の経済がガタガタになるかどうかは、南北の統一より日本とくっついていられるかどうかに依存しています。韓国については最近「破綻しちゃえば経済格差を気にせずに統一できるぞ」といった発言をよく見かけますが全くその通りで、破綻後周囲の国が徹底的に韓国を援助し続けなければいずれ南と北の経済格差はほとんど無くなるでしょう。
韓国の大統領がドイツでこうした行動をとるのは、我々は西ドイツと同じ立場なのだと錯覚させるためのパフォーマンスのようなものだと理解しています。以前韓国の新聞の記事に「我が国が輝かしい経済発展を遂げたのに対し、北朝鮮は今や物乞い国家だ」といったような一文がありましたが、韓国は北朝鮮よりも莫大な物乞いをして一時的に派手な生活をしているだけの国です。放蕩国家とならず者国家の統一なので、東西ドイツの例は参考になりません。
実際には韓国政府は本気で統一の乗り出す意思は薄く、統一費用の前借りだけが目的なんでしょう。詳しい事は知りませんが、統一準備事業に投資を呼び込み外国の企業も参入できてウィンウィンみたいな甘い絵を描いているんじゃないかと思います。
今回の ヨーロッパ訪問で李明博大統領は「韓半島に核がある限り、統一は困難だ」とも発言したそうです。この意図をどう解釈して良いのか分かりませんが、今の経済を犠牲にして本当に統一する気はないという意思表示も入っているように感じます。南北統一による北朝鮮の安定化という大儀をちらつかせながら準備事業でお金を回すことに参加して欲しいというのが韓国の本音ではないかと思います。しかしそれに釣られる国が沢山あるとは思えないしどの道破綻は引き延ばせないでしょう。
韓国社会は親北勢力を通じて北朝鮮に振り回されています。中国は直接韓国の世論を誘導する事は出来ないので、今後北朝鮮を介して韓国社会に影響力を持とうとする可能性があります。また、中国が借金の形に手に入れる物が韓国の企業群なのかどうかは分かりませんが破綻後放置しておけばカオスになるであろう韓国社会をある程度コントロールできる立場に就こうとしているのは間違いないと思えます。そうなると南が北を統一するどころか密かに逆の流れが生まれ始めることになります。中国が韓国で影響力を行使することに成功すれば、それは最終的には日本を操ることに使われる筈です。